数年前、ちょっと遠い所に、不動産を買いました。
中古一戸建てで、築年数が40年超えの古い物件です。
リフォームはされていたので、将来、老後に自分が住むことになるまでは、誰かに貸して賃貸料を貰おうという魂胆です。
ただし、田舎なので賃料は安く、年間で50万円にもなりません。
その物件がある自治体から、土地の境界を確かめる国土調査をするので、当日に立ち会うよう連絡がありました。
その一帯の地区をまとめてやるようです。
隣との境界にブロック塀があるのですが、そのブロック塀が自分の土地のものか、隣家のものか、はっきりしなかったので、
それを確かめるのに良い機会だと思って、仕事を休んで行きました。
調査の内容は、まさに、自分が希望する内容でした。
役所の人がたくさん来て、公図と現場を確認していきます。
私と役所の人が話していると、隣のおばさんが、唐突に、
「昔、隣の土地を2メートルぐらいの幅で買った」と、その際の図面を持参して登場しました。
それが事実とすれば、隣家の敷地は公図よりもうちの土地に2m程度、食い込んでいることになります。
実際に測量というか、巻き尺で図っただけですが、実際、その通りでした。
2mと言ってますが、昔ならではですかね。
正確には1間の1.8mです。
「1間分買う」「1間分売る」という昭和の取引が、その隣家が持参した図面から見えてきます。
良く確かめもせずに買った自分もポンコツだし、
仲介した不動産屋も、気づかなかったのか、気づいていても知らないふりをしたのか、ポンコツだったかな。
自分で買っておいて、登記しないで放置していた、隣家もまた、ポンコツなのかな。
ただし、もう、あれですよ。
ポンコツな状況とはいえ、当事者は亡くなって、土地所有者は代っているのに、
証拠も証言もあって、今回、役所の人がいる前で、事実が明らかになったのはマシなほうかもしれません。
役所の人が、どうしたら良いか、隣家のおばさんにアドバイスしていました。
いったん、私の土地を役所の人が分筆して、例の2m分の土地に新たな番地を付けます。
私の土地を分筆するので、その番地の所有者は、私になります。
そして、次に、所有者移転を行って、名義が隣家に代るということです。
キーマンは、私ですね。
ごねたら、所有者移転ができずに、隣家も困るでしょう。
キーマンは私ですが、すでに損しているのも私です。
役所の人からちょっと同情されました、笑。
番地を付す手続きに3年ぐらいかかるらしいですから、その間に、売ってしまうわけにもいきません。
不動産、いろいろ勉強になります。
そして、世に不動産ぐらい、価格が適当なものもないな、と思ったりしました。